アルジェリアに人質事件が発生した。
かってアルジェリアと言えば、外人部隊の働き場所だった。パリ祭の踊りの輪に加わっていた外人部隊のイケメンは、ほとんどがアルジェリアからの帰国兵で、ひとときの休暇をパリジェンヌとの恋にうつつを抜かしていた。
世界遺産になっているアルジェのカスバは、急勾配の細い道に階段状の道が連なり、曲がりくねった町には、複雑な狭い家が重なり合って連なり、もつれ合うように支えあって建っている、古く不思議な町だった。
フランス映画「望郷」のなかで、大泥棒ペペが逃げ込んだ北アフリカの魔界、それがカスバだった。迷い込んだら最後わからなくなるという犯罪と淫売の町で、大泥棒の孤独のときを癒してくれる女たちには困らなかった。
さて事件を起こした反政府勢力の「貧困への怒り」は、並大抵のものではない、と聞いている。二年前の食料品高騰に抗議したデモでは、4人の焼身自殺者をだした。
アルカイーダ、タリバン、イスラム、ジハード、ジャスミン革命、アラブの春、マリ、アルジェリア、フランス、アメリカ、天然ガス、原油、石炭、クーデター…これらのキーワードを解くのは容易でない、と言われている。
「人命第一に…」と言う発言は、「身代金はいくらでも出します」というサインだそうだ。
命をかけての反政府運動、抵抗運動に死の報酬はあたりまえで、それは神の思し召しと信じている連中に、まず人命を第一に、といったところで空念仏としか聞こえない。その先に国際政治はあると思うが、安部総理以下平和ぼけの国民には通じない。
望郷のアルジェリア
コメント
1件のフィードバック
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この問題、同じ金額を使うなら、文化交流という名目で、イスラムの施設に日本の建築技術を提供するチャンネルを早急に早急に立ち上げるべきと思います。
豚肉を食べる人間を、宇宙人と思っている人と交渉するなら、宇宙人相手の交渉術が必要と痛切しました!
プロフィール

星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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