TVと代理店に潰される五輪選手

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 ロンドン五輪は予想どおりの不振だ。
 メタル・ラッシュと騒いでいるのは、テレビの情報番組だけ。金の予想はつぎつぎとくずれ、中国の十分の一ほどにもとどかない。
 「 結果はついてこなかったけど、楽しくやれました。」若い十代の選手がインタビューに答えている。オリンピックの意味が全くわかっていない。結果がついてこなかったら、オリンピックに出るな。楽しみたければディズニー・ランドへでも行かれたらいい。
 「結果は残念だったけどよく頑張ったと思う」銅メダルまでしかとれなかったスポーツ・コメンテーターのステージ・ママのような解説、オバカな女子アナが「勇気貰いました」とはしゃいでいる。
 CMの出演料が気になって、鉄棒から落下したと揶揄されているのやら、テレビの契約も決まっているので、彼への愛のブログを公開した手抜きのバドミントンやら、自己過信のすえコーチをクビにして惨敗した水泳選手、監督と口もきかない女子体操選手、と荒れたキャンパスのようなテイタラクでは、期待するほうが無理というべきだろう。
 ロス五輪あたりから始まったオリンピックの商業化は眼にあまるものがある。本来純粋であるべきスポーツ選手を寄ってたかって商品化している。ルックスがいいから是非うちのキャラクターになってほしい。いや面白いからバラエティー番組に。飲料の宣伝キャラクターに契約しましょう。 電通とJOCと芸能プロとスポンサーが入り乱れて裏工作を繰り広げる。 これでは田舎のアスリートなどひとたまりもない。金銭と虚飾のまえに次々と調子をくずして、ブックメーカーからも見放される。
 金メダルをとった柔道の「もののけ姫」のごとく、野獣のごとき闘争心を持たなければ世界一にはなれない、ということを誰か教える先輩はいないのだろうか。


コメント

1件のフィードバック

  1. おっしゃる通り!
    メディアの商品になりそうな選手、もしくはメダルを期待出来る競技ばかりが、放送されています!BSを見れば、ほぼ全競技カバー出来るとはいえ、紹介する競技が偏ってますね!
    しかし、期待されないのがいい形に作用した、アーチェリー団体女子の例もあるので、メディアのに毒されない選手に、PC経由の声援を送って行きます!

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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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