歳があけると「今年はどうしましょう?何処へ行きましょう?」というのが、事務所の会話。
去年は富士宮やきそばだったから、ことしはどちらのB級グルメを食べに行こうかというのが、テーマだ。あそこのフレンチは凄い、こっちのイタリアンは価格日本一、といっていたのが、いつの間にか世をあげてB級グルメブームとなった。たまには贅沢もしたいが、普段はB級グルメ万歳というのが、貧乏日本のメガ・トレンドである。
駅弁日本一にいく度か輝いた北海道イカメシは、「いかめしコロッケ」に進化した。だからお散歩しながら気楽に食べられる。観光客もどれひとつと手をのばす。 ながらく喜多方ラーメンに寄りかかってきた喜多方では、バンズのかわりに麺を、なかにチャーシューなどを挟み込んだ「喜多方ラーメンバーガー」が、生まれた。だからアメリカ人のような近頃の田舎の若者にうけている。石川県では、特産堅豆腐と老舗インド料理店がコラボして、豆乳ベースの白い「白山堅豆腐カレー」が生まれた。
長野にもいろいろと名産・特産の類はあるのだが、なかなか颯爽としたB級メニューが生まれない。頑迷な県民性なのか、それとも山国にありがちの味覚音痴なのか。
たとえばフルーツ王国といっていながら、フルーツ・サンドの名店がない。ぞばこそ県民食といいながら、そば餃子は見かけない。松茸は秋の名産品だが、松茸パフェはない。キャベツはとてもうまいが、キャベスパは作らない。千曲川のほとりにも、鮎カレーはないし、佐久に稚鯉の茶漬けはみかけない。ジャムや、長芋もあらゆるB級グルメに対応できる。早く生まれろ長野のB級名品だ。
B級グルメの進化と努力
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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