B層と呼ばれる活動的な馬鹿

　活発でシンプルなバカが国家、社会の中枢に座っている。素人が口を出すなどというレベルではなく、素人が大臣になっている。俺は素人だから、これが本当のシビリアン・コントロールと、言い放ったのは一川保夫防衛大臣。
　政治、文化、メディアあらゆるプロフェッショナルな領域に「素人の意見」「女子供の正義」「民意という名の愚かしさ」がはびこり、惨たんたる状況になっている。
　これはB層と呼ばれる中間層の急拡大だ。B層というのは、マスコミに流され易い比較的IQの低い人々、これは2005年いわゆる小泉郵政選挙に際し、PR広告を請け負った代理店のつくった概念だが、「権力に肯定的でIQの低い層」「よくわからないが小泉総理の支持層」「主婦、老人、低学歴層」が中心、小泉のワンフレーズ・アピールを集中的にあびせ見事圧勝に導いたとんでもない階層なのだ。
　困ったことにB層は何度詐欺にあっても懲りない。すぐに忘れる。政治家の支持基盤やマスコミの顧客にB層が急シフトしている。B層むけの低レベルなコンテンツが次々に登場し、そこで増幅されたB層エネルギーが社会全体をのみこんでいるというのが現状だ。
　最近某新聞で「総理になって欲しい人TOP10」なる調査が発表された。一位北野武、二位東国原英夫、三位池上彰、四位イチロー、五位橋本徹、六位石原慎太郎、七位太田光、以下木村拓哉、所ジョージ、孫正義とつづく。20代から40代の900人にネット調査した結果だとあるが、馬鹿馬鹿しくて議論にならない。マスコミの毒が全身にまわっている。活動的なバカほど怖いものはないとゲーテは警告を発し政治に於ける素人の口出しを戒めたが、これが正気に答えた結果だとすれば、一刻も早い日本脱出をお勧めしたい。いつの間にかこの国は骨の髄まで腐ってしまった。