AKB総選挙のバカバカしさは言うまでもないだろう。
CD一枚ごとに付けられた投票用紙を、少しでも多く手に入れ、目指す少女の栄光のために入れ札をしようと夢中になる。圧倒的に多い無邪気なファンは、小遣いを使い果たし、財産を傾けてまで、投票券付きCDを買いまくる。秋葉のAKB劇場の近所には、聞かれなかったCDがあちこちにまとめて棄てられている。秋元とその一派による悪質な商売だ。
昔から「悪貨は良貨を駆逐する」と言われてきたが、マスメディアの低脳化とともに、この傾向に拍車がかかっている。AKB総選挙に於けるメディアあげての馬鹿騒ぎが何よりの証拠だ。
ことここに及んで「国民一万人が本気で選ぶ第一回日本ファミレス総選挙」なる番組が登場した。
ファミレス・コンサルタント田川某と二三のお笑いを並べ、何もないスタジオに、各ファミレスの営業担当、シェフ、女の子のスタイリストを並べて、一万人の総選挙と称するメニュー比べである。
ガスト、ココス、デニーズ、ロイヤルホスト、ジョナサン、夢庵、バーミアン、和食さと など、ファミレスのスタッフがその投票結果に一気一憂する。立ち上がってハグしたり、涙声で口惜しいと言ってみたり、シェフたちがガッツポーズをしたり、なんとも不思議な光景が延々と二時間も続く。
営業不振のテレビ局にとっては、こんなに安上がりの番組はない。ほとんどは、ファミレスにおんぶしてお笑いのギャラだけですましている。総選挙という名のファミレス祭りなのだ。如何にも今決まったように見せてはいるが、すぐさま並み居るゲストが一位入賞メニューを試食するあたり、八百長が歴然とわかる。
こんなお粗末な番組を、我が社自慢のアイディアと吹聴する局幹部にも呆れる。文化としての公共財 電波は、いまや夜店のバツタヤ以下に堕落したと言えるだろう。
AKBからファミレスまで、総選挙の愚挙
コメント
1件のフィードバック
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私もその番組見ました!実際に食べたメニューもあります。
合理化というコストダウンのなれの果て、添加剤とつなぎまみれのメニューだらけでした!
制作側もそれを知ってか?次回は専門店総選挙!?
らしいです、大戸屋、ステーキけん、カテゴリー的にファミレスに入れてもおかしくないのですが、かなり味的には勝っている店の大会です!
多分、見ている方も茶番と承知で見ていると思いますが、真っ当な材料で勝負するお店の方が、もっと数字が取れる事に気付かないのがTVだなぁと感じていました!
茶番もめぐり巡って、自治体別、学校給食総選挙までこぎつけると、立派なのですが?
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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