AC!AC!AC!と騒がしい災害テレビ。

　瓦礫、瓦礫、と続く東北関東大震災の惨状をまえに、NHKを始め民放テレビも災害情報、現地レポートに切り替えた。長野では大災害の翌12日の朝刊番組欄で、未練たらたらにレギュラー娯楽番組を予告していたテレビ局がふたつあった。長野放送と長野朝日放送、あわよくば番組売上やらスポット収入を得たいという根性が丸見えで悲しかった。未曾有の国難を前にさすが当日は、殺し、お笑い、通販の放送は出来ず災害番組に差し替えられた。
　その間隙を縫って登場してきたのが、ACと称するスポンサー共同組合だ。民放の災害情報を見ていると、AC! AC! とやたらに騒ぎ立てる。一日に何百、何千のAC!を聞かされる。それも甲高い女性のジングルでやられるのでたまらない。宣伝を控えたのだからこれを聞けとばかりに厚かましい。
　「こんにちは、ありがとう、まほうのことばで、たのしいなかまができる AC!」「思いはみえないけれど、思いやりはみえる AC!」「心はみえないけれど、心づかいはみえる AC!」「本や新聞をよむたびに、積み重なっていくものがある。よめばあなたの知層になる AC!」結構なことをいっているのだが、AC!が押しつけがましい。戦後何十年も占領に協力した道徳再武装のごとく、教会の日曜礼拝の説教のごとしだ。
最近の経営者にはビジネスや宣伝にたいするモラルがない。宣伝したもの勝ち、儲けたもの勝ちの風潮がある。だから大声でAC!とわめくのだ。たった15秒の音楽をつけてもいちいち久石譲とクレジットを出させるのと共通している。仁科亜希子38才の子宮ケイ癌も、何十回何百回聞かされると芝居のセリフかよ、と疑ってしまう AC!!!!!!!! 。