ファーストレディはこれでいいのか

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 政治の貧困がさかんに論じられているが、この国はファーストレディにも恵まれていない気がする。
 ファーストレディの役割について、最近とくに違和感を感じることが多い。人生の選択として政治家の妻になつたにもかかわらず、そのポジションについての覚悟と学習にとぼしい。
 とくに鳩山幸、菅伸子、安倍昭恵…総理の日常を支えるという重要な役割を軽蔑視しているようにも見え、鳩山幸にいたっては歌を歌うという芸能活動にうつつを抜かしたり、キテレツなバルーンスカートを履いて総理の趣向の足をひっぱっていた。菅伸子も夫に醒めている自己主張が目立ち、この人に総理大臣が務まるかしら、と嘯いたりした。趣味のいいきもの姿で歓迎行事や晩餐会などに加われば、ファーストレディとして役立ったと思うが、結局オバカな総理の相方でしかなかった。
 安倍昭恵の「主人と私は別人格、心の底から正しいと思ったことを発言していく」ファーストレディのポジションを返上してから言っていただきたい。おっしゃることは正しいのですから。神田の路地裏で居酒屋をやるのも勝手だが、民情が良く判る、などと主婦連のオバサンのようなことを言って欲しくない。世界と日本を相手に戦っているのが旦那だし、その非政治的行事をヘルプしていくのが、ファーストレディ・アッキーの役割だ。歓迎行事や晩餐会のお相手はいやかもしれないが、ベストドレツサーなどというインチキ行事に出席するよりはるかにお国の為になる。
 ファーストレディの人柄ひとつで国が傾いたフィリッピンのイメルダ・マルコス夫人、逮捕され死刑となった中国の江青夫人、あるいは先頭に立って政権を支えたエバァ・ペロン…歴史のなかからファーストレディをピツクアップしてみると、ファーストレディのポジションが国家にとつていかに重要かということが判ってくる。
 「家庭内野党」などとマスコミ受けのいい台詞を言う前に、自分の役割をしっかりと認識してほしい。韓国の対日事情の現実をみたら、韓流スターのファンの集いなどにファーストレディは出席出来ない筈だ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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