土下座と謝罪が流行ってる

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 「日本を駄目にしたB層の研究」を著わした適菜 収さんが、「土下座するバカ、させるバカ」と論述していた。ファッション・センターしまむらで売ったタオルに穴があいていたと文句付け、店員二人を土下座させ、その上ネットに写真公開をしたバカ女が、逮捕された、というニュースの肯定論だ。
 夏の軽井沢のスーパーでも、都会からきた客の居丈高の態度が話題になっている。レジでクレームをつける客が多く、地元では皆スーパーのバイトを嫌がっているそうだ。
 別荘の小路でクルマとクルマがぶつかり、ゆずっても挨拶ひとつしない礼儀知らずの、困った奥様ドライバーが多い。だから軽井沢の夏にはオバベンに気をつけろ、といわれている。オバベンとはオバサンの運転するベンツのことだ。
 980円のタオルに穴があいていたら、取り変えてもらえば済むところを、わざわざ土下座させ、写メする神経が信じられない。その上ネットに曝して満足する脳みそって何なのと思うが、結局自己陶酔型のオバカそのものなのだろう。世の中がどんどん壊れていく。悲しいことだ。
 被害者のほうも、へんにこじれるのを嫌ってあっさりと土下座する。
 土下座という行為にプライドがない。
 「半沢直樹」以来土下座が流行っている、と聞いた。
 幼稚園の子供たちが面白がって「土下座ごっこ」をしている。「倍返しだ!」コドモがわめいている。
 たまたま眼にした親が抗議したら、理事長・園長・担任が3人揃って謝罪したそうだ。
 テレビのように、テーブルの向こうに3人並んで、テレビのように謝罪した。
 右を向いても左をみても馬鹿と阿呆の絡み合いと、唄ったのは鶴田浩二の傷だらけの人生だったが、IT時代になって人間は本当にオカシクなってきた。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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