とにかく評判の悪い中国人旅行客

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 ひところ箱根でも軽井沢でも目立って多かった。
 中国の結婚式・旅行業者によるパンフレット用の撮影風景だ。婿殿、花嫁を中国本土から伴って来て、いかにものモーニングとウェディングドレスで写真を撮っている。
 中国の若者にとって、日本で結婚式を挙げるということがステータスなんだろうと思いながら、日本の若者がハワイやヨーロッパで結婚式を挙げたがる風潮と重なって、あまり愉快ではなかった。
 それが尖閣問題以来、ぴたりといなくなった。日本は憧れの国ではなくなったのだ。
 いま、中国の新婚予備軍はパリに溢れている。モンマルトルの丘にも、ポンデザールの橋でも、中国のカップル撮影隊が溢れている。結婚式の願望は、日本からフランスに移ったのだ。
 がこの中国人グループの無作法ぶりが話題になっている。セーヌ川に唾を吐く、カフェのテラスで撮影したのち挨拶ひとつせずに帰っていく。
 中国の団体旅行もひどい。ムーランルージュでも毎晩200人前後の中国人がくるが、その喧騒ぶりはもの凄い。ヨーロッパのお客さんがいちように眉をしかめる。大声で話をする、トイレを汚す、うっかり監視をおこたるとシャンパン・グラスまで持っていってしまう、とにかく中国人旅行客は評判が悪い。
 慌てたのは国家観光局、旅行前のエチケット講習をすることを義務付け、なんとか評判の挽回をねらっている。マナー違反の旅行客を出した場合は、エージェントに厳重な罰則を適用するというのだが、果たしてこの作戦上手くいくかどうか、はなはだ疑問である。
 日本でも農協のフィリッピンやタイへのツアーが、買い春旅行と非難され、アンアン片手の女子がシャネル本店に大量に押しかけ顰蹙をかったことがあったが、この解決は結局民度の底上げと拝金思想からの脱却しか、解決法はないのではないだろうか。 


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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