テレビ局という名のカジノ会社

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 かってあれほどの隆盛を誇ったフジテレビが、凋落の一途をたどっている。
 韓流テレビの事件以来、ほとんどすべての番組が不調なのだ。とくに最近のショムニはひどかった。キャスティングは勿論のこと、コメディ・タッチの演出は眼を覆わんばかり、おふざけのシェークエンスを並べさえすれば喜劇になるだろうという、とんでもない作品だった。マンガ信仰のIT人間が、劇画風に構成しても全くドラマにはならないよ、といった好例、人間を描くことを忘れて話の末端だけをデフォルメして喜んでいるマスターベーションそのものの陳腐な番組だった。
 今日このことを見越したのか、石原前都知事のときにフジは、「東京DAIBA・MICE/IR国際観光戦略総合特別区域」なる認可を東京都から受けている。矢面に立っているのは、フジ全額出資運営の「ダイバーシティ東京」という会社だ。
 この会社でいちばんやりたいのが「湾岸カジノ構想」。このカジノ構想は石原知事時代から、たびたび顔を出したり、隠れたりしている。うしろにユニバーサルというパチンコの機械メーカーにして、ラスベガスのウィン・グループに出資している賭博政商がついていて、石原からフジにルートが出来ているのだ。カジノ事業は恐ろしいブラック・ビジネスだということが判っていない。
 オリンピック招致の決定とともに、このカジノ事業がまたぞろ動き出したが、さすがいきなりのカジノを持ち出すわけにも行かず、当面は宿泊、飲食、娯楽などの一大観光施設をつくり、貸し出し利益をあげながら、
いずれは「外人観光客のオ・モ・テ・ナ・シ」とばかりにカジノを持ち出すことだろう。
 当面はお台場合衆国、居酒屋えぐざいる、それに駄菓子屋えぐざいる、グリーとのカード・ゲームで食いつないでいくしか特効薬は見付からない。「放送免許」という既得権益にあぐらをかいて、儲かることならなんでもするといった、このテレビ局というビジネス・モデルを野放図に認めているのは、何処のどいつだ。


コメント

1件のフィードバック

  1. フジテレビのお台場ひいき、夏のイベント、ホリエモン(既得権益組織)の介入等、バラバラだった情報が、なんだか一つの線に繋がった気がします。
    わけの解らないニュースキャスターの起用も、コンテンツビジネスに見切りをつけた証明のひとつと考えると、納得が行きます。

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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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