大人のピンクが溢れている

by

in

 オープランタン、ギャラリー・ラファイエット、パリのデパートには、いま大人のピンクが溢れている。
入口のディスプレイも、モードのフロアも、ピンクだらけだ。
 ピンクといっても、日本のようなガキの喜ぶピンクではない。スモーキーな、パステルな、サーモンの少し入ったピンク。キャミソールも、スカートも、パンツもみな大人ピンクで、ラツクに集合している。パステル・ピンクの透けるか、透けないかの微妙なキャミソールは、かなり女らしくもあり、挑発的である。
 流行はすべてパリからの原則に従えば、間もなく日本のデパートもピンクに染まるのだろう。
 ランジェリー・ブランドに AuBadeオーバドゥ というトップ・メーカーがある。ストラップレス・ブラ、フロントホック・ブラ、Tバックのタンガ…みなこのオーバドゥから生まれた。
 このブランドは年6回のコレクション、春・夏・秋・冬 それに加えることバカンス、ノエルが話題になっているが、このオーバドゥのコレクションにも、サーモンピンクは数多く登場した。
 15種以上の素材を30近い工程で仕上げられたブラやパンツ、ガードルは見事といった仕上がりで、「オーバドゥを身に着けるとランクアップする」といったジェンヌ達の噂ばなしもさもありなんといったところだ。洗練された鮮やかさ、季節とトレンドを意識して、全く違う発想で発表されるコレクションは、女性の肉体は芸術だという主張に支配されている。
 値段も高いので若いジェンヌには高嶺の花だが、粋なパリジャンはいつかオーバドゥを身に着けた美貌の夫人との情事を夢見て励んでいる。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ