アメリカ直輸入の不良文化

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 「暴走族」「チーマー」に続く不良集団の新しいカテゴリー、それが「カラーギャング」だそうだ。
 黒ギャング、青ギャング、白ギャング、赤ギャング、…カラフルでファッショナブルな集団と思いきや、実態はまったく異なる。
 背景にはアメリカのストリート・ギャングがある。88年に大当たりをとった映画「カラーズ ・天使の消えた街」、これはロスアンゼルスを舞台にしたギャングもので、青ギャングと赤ギャングの抗争が描かれていた。折から勃興したヒップホップ・カルチャーに呼応して、日本に上陸した。
 素人には手をださない、強い相手に勝ってこそのヤクザだという、それまでの暴力団にあった美意識が全く無いのが彼らの特徴であり、唯一つ同じ色のバンダナをすることだけがルールだ。
 ケンカに勝ちさえすればなんでもいい、金属バット、鉄パイプ、ナイフ、スタンガンは当たり前、金属の特殊警棒、拳銃を弄ぶメンバーもいる。 武器を使うのは卑怯、徒手帝拳で堂々とケンカするといった文化はない。彼らは仲間のことをファミリーと呼び、横のつながりを大事にする。過去の暴力団は上下関係が厳しく、組織には鉄のオキテが存在したが、カラーギャングにはそれがなく、残忍なこともノリでやる怖さがある。
 発祥がストリートであるため、彼らには支配しやすい郊外が本拠になる。大都市で生まれる若者文化とは一線を画し、埼玉、大宮、群馬、栃木といった地方で勢力を保っている。
 田舎の地元を意識し、俺たちをバカにするな、といった狂暴な自意識をもつのが新型のカラーギャングだといわれている。最近では二世、三世だけで作られてる組織もあり、「外人部隊」と呼ばれて恐れられている。
 
 


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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