日本の真ん中で大地を拝む

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 上田から南西の方向、塩田平、別所温泉の近くにその社はある。
 日本の真ん中 国土の大神が肩書きの「生島足島神社(いくしまたるしまじんじゃ)」、あまり知られていないが、このオヤシロは日本の国土の総鎮守で、ご本殿に祭神はいない。本殿に床板はなく、そこにある国土の土が祭神になっている。この国に二つとない貴重な神社だ。
 その生島足島神社に初詣にいってきた。
 北方四島、竹島、尖閣諸島、そして東北大震災…いま日本の国土は危機に陥っている。
 つまり菅直人や、野田前首相、安倍新首相が一番にお参りしなければならない神社なのだ。われわれ庶民がお参りするよりも、今時の軽量政治家に団体参拝して欲しいオヤシロなのだ。
 国土の神様である以上、天皇家からは毎年なにがしかの御下賜料が下されている。京都から東京に都を移すときも、明治天皇はまずこの神社に報告し、ご祭神の土を千代田の宮城に移してから、東京に都を移した。
 境内には、今年の干支の大蛇が住んでいるといわれ、回り舞台とスッポンのある立派な歌舞伎舞台もある。
下宮のかたわらにある樹齢800年の大木は「夫婦欅」といわれ、根元の空洞のなかには自然に出来た男女の象徴があり、お参りすると子宝に恵まれるといわれている。大地の神様は同時にセクシャルなご利益もある。
 すぐ近くには、戦没画学生の絵を展示し、長野県下第一位の入場者数を誇る無言館という美術館もある。下手な絵に感動するという貴重な体験のできる美術館だ。
 このヤシロを見下ろす山々には、松茸が実り、秋には山のあちこちに急拵えの松茸小屋ができて、5、6千円でたらふく松茸が食べられる。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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