宴会の余興に「セクシー田中さん」または「セクシー・フィリッピン娘さん達」を呼んで楽しむということはそんなに珍しいことではない。
多分ホテルの用意されたメニューに、カラオケ用の田舎バンドや手品、歌謡曲、下手な司会とともに、どうぞお好きなメニューをお選びくださいと、セクシー・ダンスも印刷されていたのだろう。
この場合まずかったのは、自分たちは「天下の政治家」だ、ということを忘れていたことだ。それもこの国の最高権力の座にある「自由民主党」の明日を担う若手政治家の立場が、ホテルとの打ち合わせの際、つい頭のすみから抜け落ちていた。
男どもは本当にショウガナイと笑って済ますのはパリジェンヌだが、絶対に許してくれないのが日本の女性たち、人種差別とか職業差別とか近頃はジェンダー意識に欠けるとか、話はどんどんややこしくなる。言い訳するほうも「多様性の研究」とか変な理屈をもちだし、つい男の愚かなとこでとはいわない。建前ばかりで、本音の通らない後進国では仕方のないことなのだろう。
その後がよろしくない。口渡しで千円札の何枚かを「セクシー・ダンス」さんに渡したというのだ。
この国には昔から「御祝儀」という習慣があり、「ご祝儀袋」のいろいろが巷に売られている。ハダカの金品をわたすのは失礼、という文化が存在する。感謝したければご祝儀袋に入れてそっと渡すというのがこの国の風習なのだ。
下品なキャバレーなどでは、ヒモパンに挟んで渡すなどという、セクシーこの上ない渡し方もあるが、やはり政治家には似合わない。
書き忘れたが、千円札ならご祝儀袋ではない。この場合は「ポチ袋」である。祝儀にも階級がある。
千円札の祝儀では折角だしてもバカにされ、軽蔑される。ホテルでのパーティなら「万札の祝儀」が常識と心得なければならない。国家天下の政治を志す自民党青年部の議員さんなら、そのくらいのことは常識と心得よ、である。
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