滑り落ちたキムタク。

　映画宣伝に登場したキムタクを久しぶりにみて、こんなにつまらない俳優だったかと眼を疑った。キムタク王座陥落…好きな男ランキング第六位、嫌いな男ランキング第三位でいまや出川哲朗に次いで嫌われているというコラムをみても、そんなに信用していなかったが、やっぱりの感じ。御歳37才でアイドルを意識しているのは無理といえば大無理なのだが、ジャニーズのタレント製造マニュアルに時代とのズレがでてきているのかもしれない。嵐の桜井翔のほうが好きな男ランキングでは上をいき、ジャニーズ事務所のトップランナーになっている。桜井の慶応出身という看板といかにも育ちのよさそうなキャラクターが一応の支持をえているのだが、まだまだキャスターとしての底は浅いし、慶応を出てジャニーズかよといった、人間力の程度の低さがみえてしまう。キムタクの若ずくりもいつまでサーフィンかよといった時代錯誤の二枚目風でいやみが先に立つ。
　嫌われ男の第一位は島田伸介だが、偉そうな物言いと感動のおしつけがウザイ、という声が圧倒的、自分が動けばすべて周りが付いてくるという自信過剰ぶり、チャリティだから善行のしるしというどこかの小金持ちのようなことは止めた方がいいだろう。ついてくるのは視聴率しか判断基準のないテレビ局だけという現実にもうすこしシビアになったほうがと思われる。嫌いな男そのものの出川哲朗にいたっては、申し訳ないが生理的に無理という声が多く、たまたま時代の不況が安くて面白ければそれでいいというお笑いの季節にあたったので、タレントの看板を出していられる。お笑いの進出とともにテレビの失ったものは品格だが、カメラに向かってみんなでものを食べる下品そのものの映像は何時になったら淘汰されるのだろう。