最近どきどきするような女優が見当たらない。
つまらない女優の一軍は「モデル上がり」。モデルから女優になった人たち。モデルというのは服の存在あっての職業、すべては服をどのように着こなすか、服をどのように見せるかに尽きる。つまり中味はいらない。中味が見えるとかえって邪魔になる。かって女優を集めてファション・ショーを開いたデザイナーがいたが、ショーは野暮ったくて見ていられなかった。女優たちは舞台で演じようとするため、服の魅力を半減させる。デザインされた服をみるのに、変な情緒はいらない。つまり美しい衣文掛けが中性的に作品を見せてくれればそれでいい。観客は人それぞれのライフスタイルのなかで、その服がどういう役割を果たすかを考えて買うか買わないのかを決める。モデルたちは虚構の感性には優れているが、生活のリアリティには全く反応しないように育てられてきているのだ。だからカラダがどんなに立派でも藤原紀香はつまらない。人工的なサイボーグに見えてしまう。
もうひとつつまらない女優の一軍は「宝塚あがり」。宝塚の画一的な舞台で男役はこういう発声、歩くときはこうして、目線はこうという訓練を受けて、あの環境だけに通用する表現を身につけてスターになる。声は大きいがへん、姿勢はいいがやっぱりへん、天海祐希をみればよくわかる。かって越路吹雪という大スターがいたが、究極のデフォルメに覆われたリァリティのないスターだった。
江角マキコ、米倉涼子もポスト紀香でひたすら怖いだけ色香はない。菊川怜もいつまでたっても東大だけが売りの乾ききった女で劇的なシャドーは皆無だ。
国民的女優といわれてきた吉永小百合でも、サユリストと呼ばれる同世代のファンがついただけで、つねにマスコミに騒がれてはきたが、優等生的なつまらない芝居が多く、大人の色香にはほど遠く、これが日本を代表する女優とはいいがたい。
つまらない女優たち。
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プロフィール

星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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