たかがカレー、されどカレー

by

in

 このところ人気ウナギ登りのカレー。軽井沢のカレー・ベストスリーは、先ずJR軽井沢駅前「茜屋」のカレー、れとろな銀器にルーが入ってきて1470円、別荘族が夏の終わりにここのカレーを食べて軽井沢に別れを告げる。少し離れた追分笑い坂にある「御影茶屋」、ここの信州ポークの茶屋カレー、繊細な身体つきのママが複雑にしてしっかりとしたカレーを900円で提供している。カレーを豪華な気分で食べたいむきには100年の歴史の「万平ホテル」…じっくり煮込んだ和牛肩ロース肉とカレーソース&ライス、皿も大きい肉も大きい一金2500也、以上三つのカレーは自信をもってお勧めできる。
 近頃懐かしの三笠ホテルのカレーと銘打った店も10軒ほどあるが、てんでばらばらでどれが本当の三笠ホテルかわからない。共通しているのはカレーやのオヤジがみな長いコック帽をかぶり、腕組をして客を睨みつけたつけているという近頃風の写真だけ。フードコォーディネーターが弱腰でみんな勝手にそれぞれのやり方でつくっているのでは、とてもご当地名物にはなりえない。
 いずれにしても、しっかり食べてカロリー半分、朝カレーなどという流行は有難い。梅宮アンナがでてこなくとも充分理解できる。昔から横須賀には海軍カレーという伝統があったが、いまでも海軍では圧倒的にカレーが強い。牛すじの煮込みカレー(護衛艦やまゆき)激辛カレー(潜水艦はやしお)にんにくポークカレー(潜水艦まきしお)野菜カレー(潜水艦あらしお)とそれぞれの艦船にカレーのレシピがある。明治の初め、会津白虎隊の山川健次郎が初めて食したカレーから139年後の今、これほど日本人に愛されるカレーに育つとは「インド人もびっくり」ということだろう。


コメント

1件のフィードバック

  1. 茜屋のカレー、
    信州ポークの茶屋カレー、
    万平ホテルの和牛肩ロース肉とカレーソース&ライス、
    是非とも拝見したくてグーグルで画像検索を掛けたのですが、
    結局行き当たりませんでした。
    是非ともお姿が拝見したかったです。
    いつかきっと食べに行きます・・・・・・。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ