「テロリズムに立ち向かわなければならない。」と大号令をかけて全世界の秩序を破壊したブツシュ前大統領、イラン、イラクに攻め込んで核兵器を探したが何も見つからず、「あれはCIAの誤報だつた」。後を受け継いだオバマ大統領も、アフガニスタンに転戦しタリバン掃討を宣言したが、地元の支持がないために敗色濃厚、いまや引き時を模索している。アメリカのお蔭で自由社会は不自由社会となり、成田では上着どころか靴までぬがされ、そのうえ骨まで見える監視装置を通ってやうやく飛行機に乗れるというマンガのような不安社会に堕ちてしまった。
そのうえ馬鹿馬鹿しいのはフロリダのキリスト教牧師による「コーラン焼却」宣言、わざわざキリスト教対イスラム教の宗教戦争を煽っている。中世の宗教裁判を再現して、さらなる差別や対立を引き起こそうとしているとしか思えない。たどればキリスト教もイスラム教もユダヤ教のもとに生まれた新興宗教であったのだから、近親憎悪が高じて争っているのかもしれない。戦いをジハードとして神への奉仕と位置ずけるイスラム教徒と、兵器産業石油支配をかくしての自称世界警察とでは根本が違う。そこにイスラム教徒が神の言葉と信じているコーランを焼却して、テロリズムに立ち向かわねばならないと主張する牧師が現れた。アメリカは大統領から牧師までなにを考えているのか解らない。聖職者が存在せず、すべての信者が直接神に帰依するイスラム教徒の強さが理解できないのは不幸なことだ。持たざるものが、巨大な力に反抗するにはテロリズムしかない。第二次世界大戦でドイツに向かって戦ったフランスのレジスタンスも戦術はテロしかなかった。コーランを「ムハンマドを通じて下された神の言葉」と信じている全世界11億のイスラム教徒、日本の信徒ダルビッシュ有や本田勝一を含め、このコーラン焼却をイスラム教徒全体への宣戦布告と受け止め、世界をのっぴきならない所まで追い込んでしまう不幸をはらんだ事件なのだ。
米牧師のコーラン焼却宣言。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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