"KAWAII"輸出反対!

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 「パンダがカワイイ」「ペンギンがカワイイ」「ひよこがカワイイ」「マカロンがカワイイ」「キャンディがカワイイ」「リボンがカワイイ」幼さと無邪気さの交差点として、カワイイの形容詞はずっと子供と大人に成りきれない未成熟な価値観として生き続けてきた。それが何時の間にか、とんでもないところまでカテゴリーをひろげ、教師だろうが、老人だろうが、もった髪にも、禿げたあたまにも、なんでもかんでもカワイイ、KAWAII、を発するようになった。日本のカワイイが世界のカワイイになり、多くの外国人が知っている日本語のひとつになった。宝塚のカワイイは欧米では理解されなかったが、携帯電話にぶらさがったマスコットや漫画から飛び出したハラジュク・ガール、秋葉のモエ・ガールが、ついにヴォーグにまで登場した。これが現代日本の文化的コンセプトなどと書かれると汗顔の至りだ。漫画しか読まない貧困な日本語世代によるたんなる記号としか思えないからだ。醜さを誤魔化すテクニックとして、過剰なまでのヘアメイク、聳え立つ盛髪があるとすれば、なるほど日本のシコメもやるわい、と思えるがやっぱり輸出禁止にして欲しいKAWAIIである。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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