地方にいって駅前から商店街を見渡せば、決まって「江戸前寿司」の提灯が眼に入った。その昔は、寿司ネタが江戸前だという印しの看板だったが、いつのころからか江戸風のにぎりだよという程度の表現にかわった。近年はグルグル回る寿司が当たり前になり、カウンターでじっくりと握った寿司を食べるのは、セレブな暮らしの範疇らしい。
そこへチリの大地震、サケ・マスの養殖生産量は、ノルウェーにせまる世界第二位で、ウニもロシアにつぐ輸入量とか。いま回転寿司からサーモンとウニが消えては一大事とばかり、対策に大わらわとなっている。さらに直撃してきたのが、黒マグロの捕獲禁止、いよいよ寿司ネタ大戦争の勃発である。欧米先進国と称する彼らにはさほど豊かな食生活もなく、ヘタレ牛を焼いて食べるぐらいの食卓のため、魚を中心にしたアジアの食に対し、異常なほどの憎しみをいだいている。森の生き物をはじから撃ち殺して食べてきた西欧の狩猟民族よりも、アジアの農耕民族ないし海洋民族のほうが、はるかにエコのようにおもうが、いい加減白人への劣等感は拭うべきではなかろうか。シー・シェパードなどは蹴散らしてしかるべき、と考えるが如何。
江戸前寿司の危機。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日（旧NETテレビ）制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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