みんながカメラに向かって食べている風景を、テレビの幸せとばかり時間を費やした人々の御蔭で幾人かの芸人が生き延びた。「…の宝石箱や」と高らかに宣言した彦麻呂、いつもツナギのホンジャマカ石ちゃん、東京マラソンで心肺停止になった松村邦洋、不愉快なメークで顔かたちもよく判らないギャル曽根などなど…問われるべきは、ただの大食いを視聴率につなげたテレビ制作者の品性と脳みそだろう。近頃では盛り場の食堂にメガ盛、ギガ盛、テラ盛、さらにミレニアム盛と大食いメニューが登場。こうした食欲タレントについていけない芸人たちが集まって「家電芸人」と称する族が発生したようだ。家電のことならまかしてくれ、とばかり情報系番組、お買い物番組に市場を求めている。デジカメのパーティショットは勝手に顔をさがして写してくれます、とか、羽根のない扇風機はお子様がいても安全です、とか、煮物と焼き物がいっしょに出来てしまう3ッ星レンジはこれです、とばかりデジタルな香具師をつとめている。ちょっと二枚目の細川茂樹あたりから若いお笑いまで取説学んでキャラクター作りに励んでいるという噂だ。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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