コピペは退学処分に。

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大学4年になると話題はいつも「卒論のテーマ決まった?」「週末は神田へいって文献探し!」学生時代最後のエネルギーを卒論に費やした気がする。卒論をきちんと書いて学士号を貰って卒業する。それが当たり前だつた。 いまでは学生最後の話題は「就活」と「彼女」乃至「彼」だそうだ。学生時代の彼女または彼と別れるべきか、それとも続けるべきか。リアリティにみちた人生の選択が優先する。
 卒論・レポートにとっていま最大の不幸は、「コピー・アンド・ペースト」世に「コピペ」といわれている、インターネットで簡単に手に入る他人の研究や文章の丸写しだという。学生たちはコピペが当たり前という認識で、罪悪感などまるでない。基礎データーを集め、苦労して考えてまとめるという作業をしない。できない。「仲間はコピペしてAをとったけど、真面目に頑張った僕はBだった。だから次から僕もコピペしよう」ということになり、人間としての基礎能力が眼にみえて低下する。欧米ではコピペがばれたら、退学処分という学校が結構あるそうだが、ばれてもせいぜいその教科の単位がとれないといった程度では抑止力にならない。生まれた時からインターネットという世代には、断固とした関門を設けて、教育しなければ大学に明日はない。そこで最近ではコピペ防止の検出ソフトが売れているという。レポートをパソコンに読み取らせ、判断するそうだが、全部コピペは赤、パート・コピペはオレンジとなつて、元ネタも表示される。一流大学から専門学校まで、昨年一年で200校近くがこのソフトを導入したというのだが、へんな時代になったものだ。ネットでグローバル化して、コピペもグローバル化して、ただいま増殖中は考えない人間たちなのだ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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