「ボンブーパンツ」

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 「僕はどうしても女性のパンツ・スタイルは好きになれない。」といっていた芦田淳先生がついに説をまげて、新しいシルエットのパンツを発表した。2010 S/S COLLECTIONでのこと。名ずけて「ボンブー・パンツ」竹のふしをイメージして筒状のパンツを三段四段に重ねたミディアム・レングスのフーガの様なパンツ、上質な素材をつかい、計算されつくしたカットのパンツの重なりはJUN ASHIDAらしい品のいい作品になっていた。ジェンダー主義者たちが主張する殺風景な労働着のパンツとはおよそ縁遠いエレガントそのもののパンツは、セレブな女性たちの熱い視線を浴びていた。ストライプや水玉の使い方も若々しいアートな空気に充ちていて、お嬢さんの芦田多恵デザインのMISS ASHIDAとともに親子健在の華やかさに充ちたコレクションだった。会場も広いホテルから代官山の本店に移し、オートクチュールらしく手にとれる近さでのショウがとても良かった。PAの音と音程の合わないフルートの生演奏には困ったが、メロディがすでに録音されている音にたいしては、演奏家がもうすこし工夫して演奏すべきだろう。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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