定刻、朝礼にでてこない。局長の訓話、部長のプロジェクト発表が終わった頃ゆうゆうと出社、どうしたと咎めるとすこしも悪びれず「電車が混んでたんで駅待ちしてました。」「朝礼終わったんですね。僕はいいっすから。」新人の女性に「あっ、この企画書営業に届けてきて。」「はぁ、あたしですか。課長いってくださいよ。」面倒なので「わかった、わかった。僕がいくよ。」といった処「やったぁ。」1990年代からゆとり教育の洗礼をうけてきた若者たちに、職場はほとほと手をやいているようだ。挨拶をしないなどというのはいいほうで、デスクの電話をとらない。「知らない人と話をするの苦手なんですよー」まったくあいた口がふさがらないとはこの事だ。強くいうとへこんだり、逃げ込んだり、突然休んで親から電話がかかってくる。「上司が怖いといってますので、課長さんかえられませんか。」小学校中学校で話題のモンスターピアレンツがそのまま職場を侵略しつつある。耳触りのいい、人に優しい個性教育や、過保護な子育ての欠点にいっこくも早く気がついて、教育転換をしないと取り返しのつかないことになるだろう。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す