現代美術を偏愛した男と女。

by

in

 このキャッチは軽井沢アート・コントラーダ2009のポスターとチラシのために考えられたフレーズだ。メインタイトルは「浅間山発ヴェネチア行き」。戦後の前衛美術を岡本太郎らとともに切り開いてきた池田龍雄のコンセプチャル・アートと、いま世界から注目されているガラス・インスタレーションの増田洋美のクロス・オーバー展である。離山公園にある軽井沢唯一の仏教様式による雨宮邸と広大な庭園、そして蔵と命名された和風ギャラリーを使って展開している。いままでヴェネチア、ミラノ、バリなどもっぱら海外で展示してきた増田作品が和風空間につくりだす新しいインスタレーションの評判もよく、戦後の池田作品にみられるアバンギャルドの鳥瞰が愛好家の関心を呼んでいる。ジャズと二胡によるミュージック・イン・アートやクラフト・カフェなどわずか5日の会期のなかにつまっている。2007は軽井沢ゆかりの多くのサポーターにささえられて、40人に近い軽井沢在住作家の顔見世だったが、今回は長野県元気づくり支援金事業の基金援助をえて開催にこぎつけた。こうした芸術催事に町が不感症なのは大変に残念なことだ。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ