すこしばかりの敬愛をこめ愛すべき親の心情として、昔から「親バカ」という評価が存在した。…本当に親バカなんだから…そこには温かい家族のありようがみえていた。ところが最近では親バカならぬ「バカ親」たちが巷に溢れかえっている。スポーツ英才教育に走る親たちだ。 石川遼が20億円のスポンサー契約ができたときくと、見果てぬ夢を抱いた親が子供の手をひっぱってゴルフスクールに殺到する。ジュニア教室はキャンセル待ちという珍現象。上手くならないのはコーチのせいとばかりに喰ってかかる。ゴルフに輪をかけてひどいのはフィギュアスケートだそうだ。「うちの子にはイナバウアーを教えてくださらないのかしら」子供の実力を棚上げにしてコーチに要求する。うちの子は差別されてるわと不平不満をもらす。リンクの駐車場には送り迎えの高級車が並び、コーチは食事のお誘いを断るのに大変だという。さらに中田英寿のようにとサッカーをやらせる、松坂になれと野球にはげませる。テレビで松岡修造をみるとやっぱりテニスとばかり、有名選手の個別指導に人生をかける。平成のバカ親の見果てぬ夢に迷惑しているのは、バカ親の作った子供たちだろう。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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