最近の文学賞受賞者一覧を見て驚いた。 いくらシルバー時代とはいえ文学を志す若者はいなくなってしまったのか。 文学界新人賞「白い紙」のシリン・ネザマフィだけが28才、但しイラン人である。イラン人といっても、日本語で書かれた小説なのだから彼女の努力と才能に乾杯だ。 泉鏡花賞は72才の横尾忠則が書いた「死後の世界を」、谷崎潤一郎賞は57才桐野夏生の「東京島」、中央公論文芸賞は60才のねじめ正一「荒地の恋」、小林秀雄賞は74才多田富雄の「寡黙なる巨人」、本格ミステリー大賞は75才の島崎博であった。同世代の僕としてはとても嬉しいのだが、どうも釈然としない。
100年に一度の不況対策として、漢字嫌いの総理大臣は趣味と実益をかねて国立漫画博物館を作ろうと言い出した。漫画は日本の文化だと誇らしげにいっている。一瞬耳を疑ったのだがどうやら正気らしい。文字のもつている歴史思想民俗、文化としての言葉に興味のない政治家に国政を託してしまった我々が悪い。せめて哲学や倫理を語るのに、漫画などまったく役にたたないということを知っている日本人に国の行方を任せたい。
文学賞老人天国
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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