「春風」とは新しいラップ・ミュージック、長野の二人組ラッパーによって歌われていた。一方の「ブラジャー」は若い女の子の小さな切ない思いを歌ったBカップの歌である。背丈もあまり大きくない可愛い女の子がいつか大きなブラジャーをつけて彼に見て欲しいといった直球の心情が率直に唄われて、実に魅力的な歌だった。今年の軽井沢ラブソング・アウォードの最終審査でのこと。
この二曲によって100万円のグランプリが争われた。今年で六回目を迎えるこのコンテストにラップ・ミュージックが応募してきたのは初めてのこと、第一次のチャーターメンバーによる審査、第二次の町民100人審査を経て、最終のグランプリにこの曲が残ってきたのは奇跡に近いことだった。韻律にのせて歌詞を歌いこんでいくラップの形式を初めて正面から聞いた町民は恐らく7割以上いたように思う。が大賀ホールというクラシックのメッカで、二人のラッパーによる「春風」が見事100万円を獲得したのは画期的な出来事であったし、受賞演奏で客席が皆素直にのっていたのが、とても嬉しい風景であった。
春風かブラジャーか
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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