花嫁の品質低下を嘆く

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 表千家、裏千家、武者小路三千家の家元揃踏みの結婚披露宴に出席した。花婿は伝統工芸の第何代を継ぐ名門の長子である。花嫁は美しき女子大の現役4回生。自信たっぷりの花嫁は、まず文金高島田にラメだらけの振袖で登場、BGはアメリカの流行り歌、教育学部のクラスメイト達はいっせいにシャメを片手に突進する。お色直しは父親と腕を組んでキリスト式に登場。父娘は「これがしたかった」。ここでも近所の美容院で下品に髪を飾ったクラスメイトが一斉に立ち上がってエールとシャメ。よく聞くと、このお嬢さんたちは、まもなく小学校の先生になるという。花嫁もこの結婚がなかったら、先生になる予定だったそうだ。
 これではこの国の教育改革を期待しても無駄というものだろう。教師になるという教養も覚悟も全くみあたらない。お願いだから「先生」だけにはならないで欲しい。その身振り行動は、街角のミーハー以下だった。教育大学はなにを教育しているのだろうか。最後の極めつけは娘と父のハグ、親も教育者だという。日本の伝統を背負って立つ名家の披露宴であった。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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