セブン・イレブン傘下に入った西武がセブンにも見放され、アメリカのフォートレス・インベストメント・グループによって更にヨドバシカメラに転売されようという現実をまえに、ストライキ実施の構えである。
かって堤清二から和田さんの時代、パルコ、ファッション連合などの企画、イベント演出に関わっていたので今日の西武の惨状は聞くに堪えない。
それにしても西武の組合は令和5年のマーケット事情を知らなさすぎる。
あの三越ですら伊勢丹とのシナジー効果でなんとか生延び、高島屋はローカル店の売り上げでようやく食いつなぎ、ほかのデパートも皆、デパートという業態の終わりに直面して苦闘している。通販時代の到来と専門店の大規模化のまえに、営業スタイルの根本的な改革に手をつけなければならない重大な局面なのだ。
池袋というターミナルで大名商売をしていた過去に甘えていては、死を待つばかりといわれても仕方がない。
勿論、雇用関係の維持は組合員にとって重要な問題だが、肝心の企業母体が消滅してしまっては何の役にたたない。
ヨドバシの優れたところを学習し、池袋のあの大きな店の再生案をまとめるしか、生き残る方法はないのではなかろうか。
幸い東口には、芸術娯楽発信のベースもできたので、次世代の生活行動を見据えた業態の再構築に絶好のチャンスでもある。
初めてパルコを作り、無印良品を産み、ロフトやWAVEを作った頃のあの情熱を思い出し、もういちど西武の「不思議大好き」を掲げてほしい。
西武の悲しいストライキ
コメント
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す