急にお湯が出なくなったのは、岩木山の麓弘前の嶽温泉だ。
多くの旅館は開店休業状態、お客さんのキャンセルやら、なかには破産準備に追われている旅館もあるそうだ。
嶽温泉は糖尿病、リウマチ、婦人病などに効くため高齢化社会にフィットする優良温泉だった。そのうえ名物に「マタギ食」などあり、飽食時代のグルメにも大変いい温泉だった。
大きな御幣を担いで岩木山に登る夏のお山参詣も、お祭りマニアにとって貴重な風景だ。
５０年も前、真言密教の音楽と言われる登拝囃子とともに登ったこともあった。
あの岳温泉がなくなってしまえば、あたりまえのように祭りも雲散霧消してしまうかもしれない。
東北の北端に当たるこの地方には日本の原風景がのこっている。すっかり都市化してしまった日本のなかの貴重な日本なのだ。
温泉の復活を願うのは勿論だが、なんとか嶽温泉の風土だけはのこるように祈っている。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日（旧NETテレビ）制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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