JASRAC日本音楽著作権協会というところは、商売と教育の区別がつかないらしい。
音楽教室から著作権料を取ろうと躍起になっていたが、ようやく最高裁から判決が出た。
生徒の学習演奏は著作権料ナシと決まったが、教師の演奏はいちいち拂え、ということ。
裁判官もJASRACも、音楽教育というものを知らないようだ。
不幸にして教師が一切楽器に手を触れず、口先だけで音楽を教えている教室というものを知らない。
ピアノの前に先生と並んで座る。先生がオクターブ下を弾く。生徒はそれを見ながら、聞きながら、猫の散歩よりましな演奏を繰り返す。
弦楽器にしても向かい合った先生が生徒のレベルに合わせて演奏しながら指導していく。
技術の向上だけではなく、楽曲の心や背景を説明しながら、教師は生徒と向かい合う。
その環境で先生から一々演奏著作権を徴収しようという根性が信じられない。
教育というのは次世代への文化の伝承である。
マーケットで洋服をうっているのとは根本的に異なる次元と思うが、こちらの神経が可笑しいのだろうか。
戦後、教師の位置ずけを聖職者から労働者に引きずり下ろした頃から、教育の荒廃が始まった。
教育を商品にしてしまったのだ。いちいち教室に入り込んで教師の演奏について、
「はい、使用料を頂きます。」これでは教室ではなく市場である。
JASRACには音楽への敬意がまったくない。金にはなっても音楽文化としての明日はない。
音楽商人・JASRAC
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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