ニセモノの聖地・軽井沢

by

in , ,

2@oys@2%eh.png
 かって軽井沢は偽ブランドの聖地だった。
 旧軽井沢銀座と呼ばれるロータリーの先の商店街が舞台だった。
 あの頃の旧軽井沢は、偽ブランドとタレント・ショップの花盛りで賑わっていた。
 若者たちは軽井沢で偽ブランドを買い、タケシの不味いカレーを食べて都会へ帰っていった。
ニセブランド.jpg
 今年の偽ブランドは「シャネル」、去年は「サンローラン」、来年は何?ときくと店のおじさんは「多分ヴィトンだよ!」元気にこたえてくれた。
 なにしろ本場のシャネルにはない大きなロゴの入ったティシャツを堂々と売っていたのだから、なんとも驚く。どうせ中国あたりで作った粗悪品と承知のうえで皆買物を楽しんでいた。
 タレントショップも華やかだった。 ウィンクの雑貨屋、山田邦子のジャンバー屋、梅宮辰夫の漬物屋、タケシのカレー屋……数え上げたらきりのない程に、旧軽銀座の奥までタレント達の揃い踏みだった。以来芸人たちの商売はまったく信用しなくなった。
 あの店の夏家賃は800万円だそうだ、いや1000万円と聞いた、旧道の大家さんは笑いが止まらないだろう、と噂が広がっていた。
 いま軽井沢はアウトレットの街で、本物ブランドの安売りが主役だが、近頃ネット上ではコピー品です、と断って売る商売が人気とか、久しぶりに軽井沢のかっての偽ブランドの賑わいを思い出した。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ