明治になるまで「菓子」の祀りとして「嘉祥」という行事があったそうだ。
旧暦6月16日、新暦7月14日に当たるその日、大名たちは遅れてならじと江戸城に参内した。
大広間には見渡す限り盆にのったお菓子がならんでいた。
その菓子を嘉祥菓子といった。
菓子の種類は八つ、饅頭、蒸羊羹、あこや、きんとん、寄水、鶉焼、のし、麩……江戸城大広間に見渡す限り並べられた菓子の盆に大名達は興奮し菓子争いが起きたという。
膳の数と菓子の個数の記録が残っている。1612膳、菓子の数二万個以上、お城に納めるお菓子屋さんもさぞ大変だったと推察できる。
嘉祥の日に菓子を食して悪疫退散をねがい、暑気を払う、明治となり薩摩長州のヤボ役人のお蔭で嘉祥の催事は消えてしまった。
伝統を愛さない人間は、今も昔も役人、官僚である。
コメント
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す