高級ブランド魚・海から陸へ

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 築地の正月といえば、大間のマグロの初せりが名物だ。
 若狭のグジやら仙台の金華サバ、室戸のブリに小名浜の秋刀魚と、全国各地に昔から馴染んできた名物ブランド魚がある。
 四方海に囲まれたこの国では、季節季節に海流にのってやってくる魚たちによって食卓が賑わってきた。
 近大マグロの出現以来、魚に関する常識が急速に崩れてきた。
 野菜は陸で、魚は海という当然のような認識が間違いだということになってきた。 よもや野菜が海へということはないが、魚はもはや陸の産物になりつつある。
お嬢サバ.png
 プレミアム・オーガニックフィッシュ 略して「プロフィッシュ」こだわりの水産物というが実は陸で育っている。
 水質の優れた自然由来の水を用い、安心安全の陸上養殖で大切に育てたこだわりのお魚というのがウリである。
 種類も揃っている。ナマで安心して食べられる鳥取砂丘の「お嬢サバ」。スッキリ甘い瀬戸内産塩田熟成牡蠣「オイスターぼんぼん」。希少な富山産「ベッ嬪さくらます うらら」。トレビアンな食感と濃厚な甘みが魅力の「とれ海老やん」。雑味のないクリアな味わい「大吟雅とらふぐ」。雪のように透き通った白身の「白雪ひらめ」の六種のプロフィッシュである。
 まるで海の魚はアマチュアでわれらこそ食べられる為のプロであるというキャッチに驚く。
オイスターぼんぼん.jpg
 これらのプロフィッシュを作っているのが、JR西日本というのが泣かせる。もはや新幹線だけでは先がない、陸のサカナに手を伸ばした。それでもサカナと自称するのは気が引けたか「フィッシュ」といっているのがいじらしい。 


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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