関東風な煮込んだすき焼きはどうも好きになれない。
まず煮込んでしまうと肉の味がよく判らない。美味い肉も不味い肉もいちようにおなじ味になり、美味い肉が可哀そうだ。
割り下の味が鍋いちめんを支配してしまうのである。
関西風に焼くすき焼きは味付けもいっかいごとに丁寧に出来るし、なによりもじっくりと肉の旨さを味わえる。肉にたいしても正面から向かえるし、醤油や酒の香りも充分に味わえる。
山形では置賜(おきたま)風と言って、肉を蒸して食べる方法があるらしい。まず野菜、豆腐、白滝を鍋にもりその上に肉を覆うようにもって割り下をかけ、そして火をいれることによって 肉を蒸すというのだ。上等な米沢牛にはこれが一番というのだから、いつか挑戦してみようかとおもっている。
最後に生卵にからめていただくという点では、東西かわりなくすき焼きの引き立て役として「生卵」に優るものなしということなのだろう。
肉についても北海道では豚が中心だったとか、未だに鶏中心の鶏すきがベストとか、やはり黒毛和牛未経産牛の作州牛にかぎるとか、いや松阪牛がいいに決まってるとか、それぞれだが脇役のについても考慮すべき点はいろいろある。
車麩、玉葱、大根、春菊、椎茸、白たき、白ねぎ、青ねぎ、江戸千住ねぎ、下仁田ねぎ、と地方によるが、試してみるに越したことはない。
寒くなると美味いすき焼きが食べたくなる。
すき焼きは焼くが美味い
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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