嬉しかったオリンピック

　体操の内村航平/ テニスの大坂なおみ/水泳の瀬戸大也……
　事前にマスコミが取り上げ、ワイドショウの顔になっていた選手は、あらかた振るわなかった。
　メタルをとってインタビューに応じていた選手は、若手の新人が多く、とても嬉しかった。
　スポーツ中継の司会に芸能人が登場するようになって、いつからか言葉の乱れがはなはだしく嫌な思いをいだくようになった。
　恐らく石田純一やジャニーズが出演するようになったころからと思うが、アスリートに対し、「楽しんでやってきてください」とか「楽しんでください」という言葉をかけるようになったことだ。
　それに対しアスリートも、「楽しめました」とぬけぬけというようになった。
　国民の税金から強化費用を貰い、助成金によって支えられているオリンピックへの認識がまったくかけている。
　国家・国旗を背負って参加している競技スポーツであることへの、責任感と闘争心に賭けている言葉と感じるのだ。
　メダルをとって「嬉しい。嬉しかった。感謝してます。」という選手には好感がもてる。相手へのリスペクトもあるし、環境への感謝も感じられる。それに対し「メダルには届かなかったけれど、楽しかった。」と発言する選手は、往々にして「次を目指します」と発言する。楽しかったのは自分だけで、見ているこちら側はストレスがたまる。あなたの自己満足には付きあえない、どうぞ引退して下さい、という気分になるのだ。
　「嬉しい」と「楽しい」の違いぐらいは理解できるアスリートであって欲しい。