LGBT先進国のニホン

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 この国はLGBT後進国だと朝日新聞はいうが、とんでもないことだ。
 歴史をひもといてみれば、後進国どころか先進国だということが良く判る。
 足利義満の衆道(男色)によって世阿弥の能が保護され、今日まで能楽が生き残っている歴史は広くしられている。 
 真言宗の開祖空海も山にこもって修行する僧たちに男色を公然と許したし、浄土真宗の祖親鸞も禁欲することだけが修行ではなく、女色も男色は無論のこと肉も多いに食すべしと説いた。
 イエズス会のザビエルが、大名大内義隆に向かって「ソドミズム男色は許されない」と説教したところ、逆に「他人様の性の好みについてとやかく言うな」と叱責され、ザビエルはのちに詫びをいれ、大内から今の山口市の大道寺を与えられ、布教の場としたちいう逸話もある。
 出雲の阿国に始まる歌舞伎の歴史も、女色、男色を除いてはかたることができない。 四条河原の女歌舞伎は遊郭の張り見世状態となり30年ばかりで風紀紊乱の咎で禁止され、ならばと登場した若衆歌舞伎も当時武士のみに流行っていた衆道をひろめ、稚児風俗の妖しげな男色をひろめたので、幕府の怒りにふれた。
 今日、世界にほこるにほんの歌舞伎も、女形という女装した男役者の存在で世界中のLGBTから好奇の目をもってみられている。 衆道専門の陰間茶屋も湯島、芝神明、日本橋芳町などに戦前まで賑わいを見せていた。
 法律に書かれてないから後進国だというような幼い議論ではなく、現実の生きた歴史を見た時にまったく逆の現実が見えてくる。それこそが正しい歴史認識であり、生きた学問ではないかと思う。おかまタレントがおかま故にどうどうとテレビ番組の正面に出ている国は、世界中さがしても数か国しかない。
 あらためて日本はLGBT先進国である。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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