軽井沢のとなり、佐久の岩村田、湯川の崖のうえにそのお社はある。
鼻顔(ハナズラ)稲荷といい、京都の清水寺に似た朱塗りの懸崖造りである。毎年初午の日には東信州のみならず関東からも参詣の善人が参集する。昔は岩村田から500メートルほどの参道にぎっしりと屋台が並び、田圃道に突如現れた賑わいが見事だった。目の前の湯川から見上げると朱に彩られた社殿が華やかさを放ち、有り難さがました。
誰言うとなく、日本三大稲荷という。伏見稲荷にシモツケの門田稲荷、そして鼻顔稲荷というが、どう贔屓目に見ても無理がある。そのうち日本五大稲荷というようになった。伏見・豊川・祐徳・笠間・鼻顔である。
調べてみると日本三大稲荷を称している稲荷は全国に十四社ある。五大稲荷を競っているのは十一社ある。日本人のささやかな競争心か、それともゲン担ぎか、どうでもいいようでどうでもよくない。
稲荷信仰もおおもとはインドのヒンズーからという説あり、いや真言仏教という説もあり、なかには秦氏の氏神だったとか、稲作文化と結びついて今日まで命脈をたもってきた。
スーパーのケースには「初午の日はお稲荷さんを食べましょう」と、柚子稲荷やら裏返し稲荷が積まれている。
鼻顔稲荷の初午
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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