日本ではラーメン・コンテストとご当地B級グルメ争いが盛んに開かれる。
フランスは食べ物のコンテストといえば、毎年決まったようにエリゼー宮に届けるバケットと、チョコレートのコンテストが開かれる。それにコンテストではないが、9月初めに一斉に発表されるクリスマスのためのヴッシュ・ド・ノエルがパリジェンヌ達の話題になる。
12月の雑誌のグラビアや話題になるためには、9月に発表しないと、締切に間に合わないという都合もある。今年のクリスマスのために、といっても丸いカタチのホールケーキはパス、丸いクリスマスケーキは、お子様ようのケーキであって大人の味覚、感性に対応したケーキとはみなされていない。
話題になるのは伝統的なヴッシュ・ド・ノエルのみで、高級ホテルやら有名ショコラティエ、パティスリーで発表会が開かれている。
プラザ・アテネ、ムーリス、ジョルジュ・サンク、ホテル・リッツ、マンダリン・オリエンタル、などの五つ星ホテルからピェール・エルメ、クリストス・ミシャラク、セドリック・ゴレ、ピエール・マルコニーニなどの作家たち、あるいはラ・デュレやコレット、プーシキンなどのパティスリー、バリ市内だけでも数十ヶ所でヴッシュ・ド・ノエルのプレゼンテーションが開かれる。
チョコレートplusワンだけのシンプルなケーキ、あるいは作家のモチーフにこだわったキツネ型、グレーカラーに星だけ、月のかたちの四重唱、アートアートの前衛派、ヴュシュにチョコレートのリボン等々、シンプルな伝統の造形にほんの少し大人のセンスを加えたものが圧倒的に多い。
グルメ記者たちは見た目だけではなく、食べた印象まで記事にしなければならず、糖尿の危機にさらされなかせら、ヴッシュからヴッシュへと飛び回っている。
クリスマスはヴッシュ・ド・ノエル
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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