STAS Revue 花やしきに引っ越す

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 浅草花屋敷のなかにちいさな劇場ができた。花劇場という。奥行がないので、恐らく演芸的なものをイメージした劇場なのだろう。
 舞台を張り出し更に突き出しをつけて、STAS REVUE が挑戦している。
「2019秋のおどり」を見た。相変わらず三人のレビュウ狂は、構成・演出・振付・衣裳まで担当してご苦労様である。
 劇場が花屋敷というので、どんな風に変わったか楽しみに拝見したが、ほとんど変わっていなかった。
 というより更に硬質になって少しばかり疲れた。頑張って選曲しているのは判るが、息の抜き場所がすくない。後半になってお得意のラインダンスなど登場したが、前半に緊張から抜け出して楽しめるナンバーがない。
 SKD時代の遺産を守りながら、もうひとつエンターテイメントなレパートリー、例えばカンカンみたいなものでも良いからなにか観客の感情を解放できるナンバーをもつべきだろう。
 スタスならあの踊りが見たいという作品を充実すべきだ。
 衣裳は予算のタイトな中でご苦労様だが、シャンソンを歌う女のスパンコール付きマーメード・ドレスはあまりにも古すぎる。
 シンプルなイブニング、例えばちいさなアンダー・ドレスとシースルーなカバー・ガウンなどで充分だし、クラシック・バレーも大時代のチュチュでは突然ふるくなる。ロシアンバレエのあの趣味は、いま時代から取り残された象徴になっている。
 このレビューを更に良くしていくのは、ひとえにスタッフの勉強にかかっている。構成への工夫、類型的振付からの脱出、衣裳センスのみがき……  STAS Revue の目指すものについて、もうそろそろはっきりした目標をもつべではないだろうか。
 いつまでも国際の小型化では飽きられる。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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