いろいろなお金の支払い

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 「お買い上げの衣類は篭にいれて、その台のうえにおいてください。左の画面にお買い上げ一覧がでますので、よろしければ次をタッチしてお支払い画面にお進みください。」買った方も売った方も商品には一切手をふれていない。すべて機械がやってくれる。ついこの間まで、一列にレジにならんでいたが、そのレジが無くなってしまった。レジの無人化である。客は機械の言うとおりに支払をすませ、画面上に「アリガトウゴザイマシタ」とでたら、自分で買い求めた衣類をレジ袋にいれて帰る。
 欲しいものを買い求めたという気分より、必要衣類を補充したといった気分である。
 紀伊国屋は買い求めた商品をレジでチェックして、支払いをすると、店員さんが、レジ袋に入れて手渡してくれた。親切が嬉しかった。
 最近のデリシアは階上げ商品の読みとりを店員さんがして、支払は次のカウンターで自分がする。レジ袋にいれるのは客自身の仕事である。
 アウトレットのファッション・ブティックでは、告げられた金額を直接レジのおねえさんに払うと、オネエサンはロゴ入りのショッピングバックにお買い上げ商品を丁寧に入れて、戸口までもってきてくれる。またのお出でをお待ちしますと言ったスタンスだ。
 ユニクロで、パンツとクツシタを買ったオジサンが、普通のキャッシャーは何処だ? と怒鳴っていた。若い店員さんが駆けつけて、お詫びしながら自動キャッシャーの代行をしていた。不思議な気分におそわれた。
 明日の社会を生きるには、いろいろなお金の支払い方を勉強しなければならない。 
 クワバラな世の中である。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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