江戸っ子にとって、川柳というのは俳句より、詩歌よりも大切なものだ。
俳句の風流も詩歌の風雅も上流階級に愛されたもので、火事と喧嘩が大好きな町衆にとっては、言いっ放し、笑いっ放しの川柳こそが、江戸っ子の粋に通じた。
ことしも第一生命のサラリーマン川柳が発表された。
公式の入選順位ではなく、ベスト100選からマイ・ベストテンを選んでみた。
第一位 / メルカリで 妻が売るのは 俺のもの 島根のぼん太
第二位 / 手紙書き 漢字忘れて スマホ打ち 忘却の人
第三位 / 新人の 名前が読めぬ 時代来た 真珠2シ
第四位 / ご馳走を インスタ用に 作る妻 なるほど
第五位 / 家にいて 娘と会話 ラインにて
第六位 / 見える化を したのに見えない 小さい字 リオカ
第七位 / いい数字 出るまで測る 血圧計 とん吉
第八位 / よく切れる スマホの電池 うちの妻 みら
第九位 / 切った後 価値が上がった 株と彼 しーちゃんのぱ
第十位 / 母強し いいえ女性は 皆強し 人生
サラ川には人の世の悲しさが漂っている。それでも笑って過ごす江戸っ子である。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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