イギリス人も日本人もオバカになった。

by

in ,

薄れていった-ユニオンジャック-上に-eu-旗-ベクタークリップアート_csp52652814.jpg
 かって七つの海を支配した大英帝国に未曾有の混乱が起こっている。
 あれほど知性の政治家といわれてきたテリーザ・メイ首相もまったく権威を失い、引くも地獄 進むも地獄の様相を呈している。18世紀初頭、オランダから覇権を奪い、250年間世界のリーダーを任じてきたイギリスが、ポピュリズムの犠牲になり、民主主義の末路にたっている。
 パックス・ブリタニカの時代は去り、いまやパックス・アメリカーナの時代になっている現実にイギリス国民は眼をそむけてきたのだ。
 栄光のイギリスだからそんな筈はないと、2016年「EUからの離脱についての国民投票」で離脱派は勝利した。
 ならばとホンダもニッサンもつぎつぎとイギリスからの撤退をきめた。企業は目の前の損益に引きずられ、工場を閉鎖し、EU圏内への引越しにとりかかっている。グローバル企業などというものは、すべてに功利主義が働き、金の切れ目が縁の切れ目になる。
 イギリス人はオバカになったのか、と思われたEU離脱騒動は、イギリスだけにとどまらない。
 日本人もオバカになったのが、沖縄辺野古埋立て騒動だ。中国の領土拡張主義がまったく見えず、アメリカの打算も見えず、沖縄を守れとさわぎたてた。無防備な自分達の行動がもっとも沖縄を危なくしていることに気がつかない。
 ポピュリズムというのは、直接民主主義の喉にささったトゲのようなもので、衆愚政治につながる最上の愚かさだ。
 トランプのようなとんでもない大統領を選んだのもポピュリズムだし、小池百合子や菅直人、鳩山由紀夫、枝野幸男を選出したのもすべてポピュリズムのなせるワザといえよう。
 これもいい、あれもいい、みんないい…というようなセンチメンタルなお話は金子みすず位にとどめ、より賢人に託すシステムを考え出さなければ、21世紀はポピュリズムの犠牲で、めちゃくちゃな世界になってしまうだろう。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ