商標登録の抜け道を防さげ

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 ついこの間まで、ニセモノ騒動は中国専用とおもっていた。
 ところがこの日本でそれも東京で起こるとは、考えてもみなかった。
 シンガポールで大当たりしたティラミスの商標を、日本のメーカーが盗んで、表参道で商売を始めたという騒動だ。紛らわしい同じようなイラストの瓶いりのティラミスに、若い女性たちが押し掛けたというのが、この物語の始まりだ。
 曰く「シンガポールのお店だと思ったから」「だって同じようなイラストだったから」等々、海外ブランドならと飛びつく近頃の風潮が読み取れる。
 調べてみると、このお店のオーナーはシンガポールのオリジナル店が日本に上陸する以前に、すでにこの商標を登録していたという。この商品は絶対に話題になるという、商売人の嗅覚には敬意を表するが、いちはやく日本で商標を登録し、使用権をおさえるというのは、困った行為としかいいようがない。
 アンタはモラルのないコバンザメのような人だ。日本で商売はさせない。というぐらいの姿勢があって当たり前。なんでも自由だからといって放置するのはよくない。こうした商道徳を無視するものは日本から追放する、中国なら盗用について寛大だから、是非中国で御商売をなさってください。この位の強い姿勢が行政に求められる。
 情報が身近になってあちこちから情報がはいってくるようになって、日本人の意識もたいへんに低下したような気がする。情報を利用してビジネス化するというのが当たり前のようになってきて、モラルが著しく低下している。
 ヨーロッパ・ブランドと紛らわしい名前をつけて売らんかなの姿勢はファッション業界では常態化している。衣服のブランド名は90パーセントがアチラ風で素人にはどこの国の製品かわからない。ご当人はインターナショナルな時代だから判らなくていいのよ、と言われるが果たしてそうだろうか。
 アイデンティティを無くし、国土を失った民族が、どれだけ苦労するようになったか、歴史を学べばすぐわかることだ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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