流量スターの蓄財法

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 中国には「流量スター」とよばれる10数人のとてつもないスターがいる。
 このスターたちのドラマ一本の出演料相場は1億元、日本円になおすと約17億円といわれているからビックリポンどころではない。
 演技力ではなく、ネット露出によるアクセス数の多寡が流量スターの価値をきめる。広大な国土を背景に中国15億の人口を相手に商売をするのだから市場経済にまかせれば、当然こうした故なきスターが生まれて当然かもしれない。
 ネットのアクセス数さえ多ければ、すべてよしとするスターは日本にもいるが、そこからおこってくる犯罪は、毎日イイネばかり押しているチンピラ・アルバイターから、大規模なデータ改ざんをするリサーチ会社まで多種多様に存在する。特にネット・バブルとネット犯罪は、共産党政権のイマジネーションを超えて中国全土にひろがっている。まさに中国芸能界の汚れたバブルの源泉になっているのだ。
 中国の有名女優范冰冰156億円に及ぶ脱税課税事件はつい先ほどで耳新しいが、個人の蓄財はタックスヘイブンのケーマン諸島、制作会社の蓄財は新疆ウイグル自治区のホルゴスへというのが、中国映画界の常識となっている。ホルゴスは人口6万ばかりの小都市だが、企業誘致のための税制保護制度により、いっきに中国バブルの象徴にのぼりつめた。ある時突然に共産党政権の軍が現われて、町そのものを消滅させることさえ考えられる。
 最近政府はドラマ出演料を全製作費の40パーセント以内、主要出演者はそのうちの70パーセント以内とするお触れを出したが、どれだけ守られるかすでにカケの対象になっている。大小7000社ある制作会社の熾烈な生き残り競争になっているのだ。
 習近平政権は昨年から「文化ソフトパワー強国」路線を打ちだしている。それでも過剰な愛国路線と反日、抗日路線の作品が検閲はとおりやすいので、どうしてもそちらにながされる。流量スターはそこからつぎつぎと生まれてくる。そしてその流量スターをささえるのは、日本の女性が圧倒的に多い、といわれているのだから喜劇そのものである、


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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