「犬と愛犬家達の楽園」「殺処分ゼロへのチャレンジ」愛犬家にとって心地いいスローガンだった。
滝川クリステルと小池百合子が手に手をとって「お犬様に人権ならぬ犬権を!」東大キャンパスをつかっての「アニマル・ウェルフェア・サミット」。広島神石高原にあるピースワンコ・ジャパンの「殺処分ゼロへの運動」は全国愛犬家から絶大な支持をうけ、莫大な資金が集まった。
いま時代は、愛犬、愛猫の全盛期、家畜のもっている細菌、雑菌のはなしなどすると、露骨に嫌がられる。
野良犬や捨て犬をすべて引き取り、里親さがしに奔走、都市部の愛犬家たちが、ふるさと納税で年間数億円の寄付をして支え、町のPRにも一役買っている、と朝日新聞には報じられてきた。がここへ来て成り行きがおかしくなってきた。
かかわった獣医師が、ピースワンコ・ジャパンの裏の実情を暴露した。一般公開されているシェルターの素晴らしさと裏腹に、公開されていない3つのシェルターの地獄模様を訴えたのだ。
一般には知られていないシェルターでは、9割方雑種で爪が2倍以上も伸びている犬が多く、爪切りのために押さえると反撃してくるような犬ばかり。野生化していてどうにもならない。餌も一日一回直径30cmほどの容器に20頭ほどの犬が殺到する。2千数百頭の犬が、狭い犬舎にいれられていると、ストレスの極限状況から犬同志のリンチが発生する。ひとたび犬同志の集団リンチが発生すると手のつけようがなく、いちばん弱い犬が、喰い殺される。
毎日一頭は犬の集団リンチにあって命をおとすが、日によっては2頭殺される日もある。
更に無残なのは不妊・去勢施術をしていないので、妊娠犬がつねにいる。昼の出産なら子犬を犬舎から取り出して保護することもできるが、夜の出産ではスタッフもきずかず、生まれた時の血の臭いで、空腹の犬たちが殺到して子犬を食べてしまう。
翌朝散乱する肉片にスタッフは茫然とするばかり、と訴えている。過剰収容のシェルターでは日常の出来事と訴えている。
ピースワンコとはいかにも犬を愛する社会活動と錯覚するが、裏には恐ろしいリアルがひかえているようだ。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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