寿司はまぐろに限る、と思っているのはどうやら旧世代らしい。ひのきの分厚いカウンターを前に、対面する大将に握ってもらわなければ満足しない、という高齢層の寿司マニュア。
寿司はサーモンが第一、と信じる若者たちは、もっぱら回る寿司やが主戦場になっている。サーモンに手をのばし、ほおばってまた手をのばすと、目の前はやっぱりサーモン、回転寿司の主役はサーモンだそうだ。回転寿司愛好者はサーモンに始まり、サーモンに終わるそうだ。玉子でシメるのは、古典的寿司愛好者だと指摘されている。
このサーモン・ブームはもっぱら9割のチリ、ノルウェーからの輸入だが、この宝の山を見逃すものかと日本でも急速にサーモンの養殖がひろがってきた。海の養殖だけでなく、山でも養殖が始まっている。
北は津軽の海峡サーモンから、震災復興の宮城サーモン、信濃サーモン、絹姫サーモン、広島サーモン といまや国内の養殖場は1000か所に及ぶと言われている。
かくてサーモンは、寿司の女王となり、サーモン・マリネとなり、スモーク・サーモンとなり、サーモン・ステーキから石狩鍋、塩焼きとなって、吾々の食卓を賑わせてくれている。原宿にはサーモン丼専門店までオープンして、危うしまぐろの座だ。
ところがここへ来て、世界で最も毒性の強い危険な魚は「養殖サーモン」であるという情報が流れ始めた。アメリカ環境保護庁EPAの発表では、月一回にしろというのだ。
原因は餌に含まれる化学物質の問題と、遺伝子組換えから健康に対して予測不能の影響があるというのだ。農薬、抗生物質、合成ビタミン、合成アスタキサンチン等々の問題点を解決しなければ、回転寿司にカンコドリが鳴くことになる。
サーモンは毒の魚か?
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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