ファッション・ショウに登場したドローン

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ファッション・ショウに登場したドローン
 会場内が静かに暗転する。
 シンセサイザーがシンプルなリズムを刻む。とやや会場に光がもどって、ランウェイが浮かぶ。そこに空を切って登場したのは、ドローンの戦列、いっていの間隔を保ち、高さをたもって見事な編隊飛行である。
 一機ずつ今シーズンの新作バックをぶら下げ、客席上をデモンストレーションする、次次とドローンはバックをくわえてこれ見よがしの飛行をする。一機また一機、観客の関心は新作バックへの関心より、むしろドローンの見事なデモンストレーションに気をとられたようである。
 ミラノに於けるドルチェ&ガッパーナ春の新作コレクションのひとこまである。このあとモデルによる洋服のデモンストレーションが行われ、ショーは無事フィナーレを迎えた。
 テレビの旅番組や、ドラマの導入部やラストシーンにもっぱら特化して活躍していたドローンが、新しい職場をえて注目された一瞬だった。これからのファッション・ショウのあらゆる場面での活躍が期待される。基本になるデザインや発想を人間モデルに託し、色違いや素材違いはドローンで会場内を乱舞させたり、バリエーションは無限に考えられる。モデルにとってドローンは明日の敵でもある。
 いま宅急便の配送やら、アマゾンの通販にドローンの活用を研究チュウと伝えられるが、大都市の喧騒の間を走り抜けているソクハイ便などドローンにすることで、はるかに事故もへらし、時間も短縮できていいように思う。
 伝書鳩はいまドローンをみて、なにを想っていることだろう。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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