おかめ節分から祇園のお化けまで

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おかめ節分から祇園のお化けまで
 二月になると、まず始めに気になるのが節分のことだ。
 信州のこのあたりでは、今年は誰が年男ぐらいの興味だが、熱心なお寺さんは東京からタレントを呼ぶとか歌い手をよびこんだりしてもりあげている。東西あちこちの節分祭をたずねたが、やっぱり祭りの様式や工夫において群をぬいているのが京都だ。
 まず千本釈迦堂には「おかめ節分」がある。紅白のおかめ装束がでて鬼をはらい、福徳円満、お多福招来を 念じる。
 廬山寺では鬼の法楽、鬼踊りがある。鬼は追われて幸せという懐の深さに感動する。
 吉田神社には眼の四つついた法相史がでて鬼を祓う。
 北野天満宮では茂山千五郎社中による狂言が奉納され、上七軒の綺麗どころが舞納める。
 綺麗どころに関心の高い人は、八坂神社へ参るといい。祇園甲部、祇園東、宮川町、先斗町 と四花街の芸舞妓がでて舞納める。甘党は境内の常盤神殿で厄除けぜんざいをいただくといい。
 本格的に節分を楽しむなら、祇園甲部のお座敷にあがるしかない。いろいろな装束に工夫をこらした芸舞妓が次々とお座敷に襲来して鬼除けの無礼講が展開する。歌舞伎の道行から西郷どん、あるいは関取風までなんでもありの一夜のお化けなのだ。芸妓衆は何か月もまえから相談し企んで、お客を驚かせ楽しませてくれる。
 あまりの変身ぶりに鬼も避けていくという俗信が生きている。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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